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大和田俊が 再構築する音響空間

January 16, 2018

ボルボ スタジオ 青山の入口に展示された、大和田俊《unearth》(2017)。来店客だけでなく、道を歩く人が作品を覗き込む様子も見られた

サウンド・アーティストの大和田俊が、ボルボ スタジオ 青山でインスタレーションを発表。都会の喧噪のなかで、どのような音の作品世界を提示したのだろうか。

積み重なった石に点滴静注バッグから液体が滴り落ち、シュワシュワと細かい泡がはじけるような音が鳴る。スウェーデンの自動車メーカー・ボルボのコンセプトストア「ボルボ スタジオ 青山」で12月5日~17日に展示された、サウンド・アーティストの大和田俊によるインスタレーション・シリーズ「unearth」の最新作だ。海洋生物の化石を含む石灰岩を酸で溶かし、二酸化炭素を発生させ、そこで生じた音をマイクで拾い、蓄積する。石灰岩をレコードとして再生することで、自然世界の長大な時間の流れを体感させる本作がスウェーデンの自然をイメージした空間で展示されているさまは、石灰岩が幻想的な景観を形成している同国のゴトランド島をも彷彿とさせた。

12月5日のライブパフォーマンスの様子。モニターの映像を背に、行われた

5日のオープニング・イベントでは、インスタレーションの傍らで3部構成のライヴ・パフォーマンスを敢行。第1部では電子音楽家・梅沢英樹を迎え、フィールドレコーディングした音や電子音を自然音と同じような周期で鳴らすなど、人間の自然に対する知覚に揺さぶりをかけるサウンドパフォーマンスを展開した。第2部は大和田と作曲家・網守将平のユニット「Cryogenic Rhythm Science」。ひとりが発音原理をつくり、もういっぽうがそれをコントロールするかたちでライヴが進行。ブラックボックスのような相手のラップトップから発せられた音に関わるという試みによって、変化に富む音楽をつくり出した。第3部は大和田のソロ。過去に制作した、日付しか書いていない音のファイルをランダムに複数取り出し、意図的に素材と距離を置きながら再構成して提示した。

インスタレーションとライヴパフォーマンスを同列に考えているという大和田だが、2つを同時に行ったのは今回が初めてだと言う。気体分子の発生、作曲したデータの存在、それぞれを「最適に鳴らすための真摯なケア」によって実現した音は、スウェーデンの自然と人工物である車の関係において、あるべき未来を示唆しているようにも感じられた。

ボルボ スタジオ 青山
美術手帖×VOLVO ART PROJECT

自動車メーカー・ボルボのコンセプトストアで大和田俊が、2017年12月5日~17日の期間、《unearth》を 展示。初日にはライブパフォーマンスが開催された。本企画はボルボと『美術手帖』のアートプロジェクト第2弾として企画。今後は、3月11日~17日に荒木悠、4月3日~15日に大小島真木が、それぞれ展示を行う。

volvocars.jp/aoyama

小林沙友里=文 稲葉真=撮影

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