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Scandinavian Story Trick or Treat? スウェーデンの、ハロウィン。

October 3, 2017

日本でもすっかり年中行事化した「ハロウィン」。10〜15年前までは局地的なイベントだったが、今ではすっかり全国区。この時期、街にはハロウィン用の飾り付けや、ハロウィングッズ、カボチャを使ったお菓子などがあちらこちらに並ぶ。
日本のハロウィンはもともと、東京の原宿や表参道でハロウィン前後の日曜日に「ハロウィン・パレード」が開催されるようになったのが、1990年代のこと。それは、原宿そして表参道界隈の一部のバーやカフェが、(店員に外国人がいる、来客に外国人が多い、という背景から)「東京でもハロウィンをやろう!」と呼びかけたところ、都心在住の外国人たちの一部が「やろう、やろう」と声を上げ、まさに「ローカル・コミュニティの盛り上がり」から始まったパレードだった。(当時、表参道の一部が、毎週日曜日に歩行者天国になっていた、ということが大きかった。パレードをおこなえる場所があったのだ)

「ハロウィン(ハロウィーンとも呼ぶ)」とは、毎年10月31日におこなわれる祭りの一種で、起源はケルト文化にあると言われている。秋の収穫祭のひとつで、豊作に感謝し、その際に、悪いもの=悪霊などを追い払うという意味で、悪魔のような仮装が用いられ始めたようだ。これは、日本でも各地に、魔物や鬼のような姿で仮装する祭りがあるから、けっして特別なものではない。

 

ヨーロッパ(旧大陸)からアメリカ(新大陸)へと渡った最初の移民グループの中には、ケルト系の人も多かった。アメリカへ渡った彼らが、故郷を偲び、同様の秋の収穫祭をおこなっていたのが、次第にエンターテイメント性を帯びていったのだろう。
現在のアメリカでは、子供たちが魔女やお化けに仮装して近隣を歩き、家のドアをノックして、「trick or treat?(お菓子をくれなかったら、イタズラするよ!)」と叫び、キャンディをもらう、というのが定番である。そう、日本で流行しているハロウィンとは、元はアメリカの民間行事なのだ。
カボチャの中身をくり抜いてキャンドルを灯す「ジャック・オー・ランタン」と呼ばれるライトアップをおこなうのも、もともとアイルランドやスコットランドにもあったようだが、やはり現代のアメリカで一般化したものと考えるべきだろう。

さて、スウェーデンにおけるハロウィンである。
国民のおよそ8割がスウェーデン国教会(福音ルーテル派)というスウェーデン。ハロウィンの起源はケルトでありキリスト教由来ではないため、スウェーデンにも元来ハロウィンの風習はなかった。しかし、近年の日本同様、ストックホルムなど都市部を中心に、アメリカ文化が強く流入していることから、「アメリカ的なハロウィンの遊び」が、そこかしこで見られるようになった。

 

ストックホルムやイェーテボリといった都市部の保育園や小学校では、ハロウィンのデコレーションをおこなったり、授業の一環としてカボチャをくり抜いてジャック・オー・ランタンを作ったりするところもある。また一部の家庭では、10月になるとアメリカのハロウィンのような飾り付けをしたり、ジャック・オー・ランタンを飾ったりする。もともとスウェーデンの人たちはキャンドルで窓辺を飾るのが大好きだから、ほのかなオレンジ色の灯火で揺れるジャック・オー・ランタンは、スウェーデン人にとって馴染みやすいものだったに違いない。
 スウェーデンでお馴染みのスーパーマーケットICAやCOOPなどでも、10月に入るとハロウィン・コーナーを設置する店舗があるし、週末の屋外マーケットなどでもカボチャがどっさりお目見えする。
 安易なアメリカ化に対して警鐘を鳴らす人たちもいるし、ハロウィン反対派も大勢いる。これはもちろん、個人の考えや意見を尊重する自由の国、スウェーデンなのだから当然だろう。けれど、多くの子供たちにとっては「楽しければ、おかまいなし」。英語の「trick or treat?」は、スウェーデンでは「ブース! ゴーディス!」という言葉に変換されている。ブースはスウェーデン語で「いたずら」で、ゴースは「キャンディ(甘い飴)」。スウェーデンでも子供たちにとっては、クリスマスと同じで、ハロウィンは「楽しいイベント」になりつつあるようだ。

  

今井栄一/取材・文

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