正しい知識で「予防」することで大切な子どもたちの命を守ります 2020/09/02
日々緊迫した命と向き合う現場にいる、小児科専門医・救急専門医 長屋聡一郎先生に、ボルボに期待することについてお話をお伺いしました。
by Happy-Note
50年以上もの間、チャイルド・セーフティをリードしてきたボルボ。
新しいボルボ車に搭乗中における死亡者または重傷者を
ゼロにすることを目指し、先進的な技術を開発し続けています。

救急医としての目的はひとつ
「現在の仕事は救命救急と集中治療を専門に担当しています。救命救急も一般の外来の患者さんであっても、私たちの使命はひとつ。元気になっていただくことが一番の目的です」と話してくれたのは、岐阜大学医学部附属病院 高次救命治療センター勤務の長屋聡一郎先生。2年前にボルボの車を購入されました。「安全であるのは大前提。そのうえで妻や子どもが安心して、快適に移動できる」、それがボルボを選んだ理由だそう。そこで、日々緊迫した命と向き合う現場にいる先生に、現在のお仕事の内容とボルボに期待することについてお話をお伺いしました。
小児救急に携わるうえでの専門的な知識は重要

「小児救急は、生命の危機に関する病態を回復させることが目的です。その後、無事にご自宅に帰れるように専門的な集中治療を行います。
私が医師になった当時は小児救急という分野が明確ではありませんでした。しかし実際に現場に立つと、赤ちゃんや子どもたちが救急で運ばれて来ます。乳幼児の救急治療には専門的知識が必要ですが、当時、現場にはそれらの専門的知識を持った指導医はいませんでした。そこで、知識を身につけるために東京の病院で研修をしました。現在の病院に戻ってきたのが14年ほど前です。
生命の危機に関わるような状態で小児救急に来る子どもたちはそう多くはありません。ですが、学んだ専門知識を大人の救急にも活かすことで、さらに小児救急で活用できることがわかりました」。
(写真)「救急の仕事は一次救命処置から始まりますが、医師としても予防に関わりたいという気持ちは常にあります」。
現場ではできない「予防」することの大切さ
「子どもの事故を事前に予防するのは大変困難です。一人でも多くの心停止した傷病者を救う言葉の中に『救命の連鎖』という言葉があります。そのスタートは予防から始まります。私たち救急の医師が関われるのは直ちに必要な処置をする、一次救命処置。その後に集中治療処置を行うのが、二次救命処置です。つまり『救命の連鎖』と言われる一番最初のところが予防になりますが、私たちは一次救命処置から入るので、予防の面はなかなか医学では扱いにくいのです」。
チャイルドシートを正しく装着することで「予防」に
「自動車事故の予防ということではチャイルドシートを使用することが該当します。チャイルドシートに子どもが座っていても、チャイルドシートが車にきちんと取り付けられたうえで、チャイルドシートのベルトを正しく着用していなければ何の意味もありません。チャイルドシートを使っていることが大切なのではなく、正しく装着できていなければ事故の予防になりません。妊婦さんも同じです。お腹を締めつけるからといってシートベルトを着用しない妊婦さんがいらっしゃいます。シートベルトをしていなかったために、お腹の中の赤ちゃんだけが亡くなるケースもあります。後ろの座席に乗っていてもシートベルト着用は必要です。また、ボルボは子どもをチャイルドシートに後ろ向きに乗せることを想定していますが、衝突時の衝撃を考えるとその方がいいことは明確です。ヨーロッパの基準では生後15ヵ月まで後ろ向きが義務化されています。これらの予防ができていないがために、残念なことに病院に搬送前にお亡くなりになるケースもあります。たとえ重症であっても命を守るための治療が何かしらできますが、来てもらわないことには何もお手伝いができないのです」。

全国に約50機ほどあるドクターヘリ。基本各道府県1基(一部エリアを除く)。救急の専門医、看護師が現場へ向かう。長屋先生もそのひとり。
救急の現場と今後、ボルボができること
「安全性の高い車を作ることはもちろん大切ですが、車社会の交通インフラとして安全に対する取り組みを提唱することもボルボに期待しています。我々は現場の医師の立場で、一歩手前の予防に携わることは大変難しいことではありますが、お互い啓蒙し続けていくことが大切だと思っています」。

岐阜大学医学部附属病院 高次救命治療センター 長屋 聡一郎 先生
岐阜大学卒業。小児科専門医・救急専門医。
取材・文●吉田 薫 撮影●三田村壮志 写真提供●ボルボ・カー・ジャパン
Happy-Note Forマタニティ 2019 4月号より転載
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