犬、そしてクラシックカー・ショー!IN SWEDEN 2019/05/08
ドック・ジャーナリスト 藤田さんの北欧、犬暮らし事情
presented by INUMAGAZINE

スウェーデンで休日の犬連れを楽しもうと思えば、必ずしも犬が主体の催し物に出かける必要はない。青空イベントである限り、実はどこでもいい。インドアのイベントと異なり、犬はたいていウェルカム。中でも私の一押しはクラッシックカー・ショー!時代モノの古い車をメンテナンスしたり復元したりして、マニアが自分のコレクションを展示するショーだ。会場になるのは、村や森の一角にある文化財公園や広場など。そしてこれ、我々のような犬をどこにでも連れて行きたがる飼い主にとっては格好のエンターテイメントなのだ。

ドッグ・ジャーナリスト。スウェーデン・ヴェルムランド県の森の奥、一軒家にて、カーリーコーテッド・レトリーバーのラッコと、ラブラドール・レトリーバーのアシカと住む。人生のほぼ半分スウェーデン暮らし。アメリカ・オレゴン州立大学野生動物学科を経て、スウェーデン農業大学野生動物管理学科にて修士号を得る。著者に「最新世界の犬種図鑑(誠文堂新光社刊)」など多数。新しい犬雑誌「Terra Canina(テラカニーナ)」編集及び執筆者。
クラシックカーと犬。スウェーデンの大衆ホビー

クラシックカー※はドッグスポーツと同様にスウェーデンにおける国民的ホビーだ。メンバー数10万人以上を誇るクラシックカーナショナル協会(Motorhistoriska Riksförbundet)という大きな団体が存在する。そのクラブの下にさらに地方別のクラブ、車種によるクラブなど200の団体が統括されている。このヒエラルキーな構造は、まさに犬の世界と同じ。
そこではメンバー数30万人を有するスウェーデン・ケネルクラブという中央の団体があり、その傘下に100以上の犬種クラブ、ワーキングドッグ・クラブ等がある。趣味の世界とはいえ、まるで戸籍のように統括、管理されているのは、「整頓好き」のスウェーデンらしさと言ってもいいだろう。
※スウェーデンの交通局の定義によるとクラシックカーとは生産から30年以上経った車
(写真)モーター・デー。クラシックカー・ショーの入り口にて。ショーと言ってもこんなローカルっぽいショーがたくさんスウェーデンでは開かれる。
それだけにホビーへの情熱は、やはり犬もクラシックカーの世界も変わらない。スウェーデンでは年間に大小合わせておよそ300以上ものドッグショーが開催され、クラシックカーの世界では年間500以上ものショーやマニアのオフ会などが開催されている。
クラシックカーショー、犬連れでピクニック気分
犬の世界は女性が幅を利かせているのに対して、かたやクラシックカーの世界は男性が多数を占める。とは言っても、クラシックカー・ショーは、女性が立ち入りに躊躇を感じてしまうほど、「男の独断場」という雰囲気でもないのだ。女性の姿も会場にちらほら見られるのは、夫やボーイフレンドの趣味に付き合い、ピクニック気分でやって来ているから!そう、スウェーデンのクラシックカー・ショーは、和気あいあいとした誰もが楽しめるイベントだ。だから愛犬連れも決して珍しくない。
面白いもので、おじさん、お兄さんたちは、たとえ知らない者同士でも気に入った車の前で、そのレストレーション(復元)やパーツの話に花を咲かせている。平行して犬連れの我ら女性陣もこれまた結構知らない人から話しかけられ、気がつけば、同様に立ち話に始終していたりする。いや、かえって犬イベントではない分、多くの人が気軽に話しかけてくれるようだ。
「犬、撫でてもいいですか?」
「この犬種、なんていうんですか?」
皆が次々と我が愛犬のラッコに手を伸ばしてくれる。シメシメ、彼の環境馴致トレーニングとしてもぴったり、もっと撫でておくれ。

皆に撫でてもらえるクラシックカー・ショー、ラッコはすっかり調子に乗り女性に寄りかかる。
犬を連れている者同士、通り過ぎる時などお互いに微笑みあったりもする。ドッグショーのようなイベントではあまり起こらない現象だ(ドッグショーでは誰もが犬好きであるのは当たり前だからだ)。というか、どんなイベントよりもクラシックカー・ショーには独特のリラックス・ムードが漂っている。誰もがウェルカム。
ショーでは「一番美しい車」を競うコンペティションもある。しかしコレクターにとっては競うよりも、「自分がこの大好きな車を復元した!」という達成感とか満足感の方が、より大事。ショーに出すのはその努力を自慢したい、ただそれだけのこと。そんな気持ちの余裕がクラシックカー・ショー全体の雰囲気に反映されているのかもしれない。この点、ドッグスポーツ(ドッグショーを含め)を競う我々も少し見習った方がいいかも!

クラシックカー・ショーでは男性と女性陣、こんな風に結構はっきりと別れる。男性はマニア同士、レストレーションの話に花を咲かせる。

もちろん男性だって犬連れはいる!自分の好きな車を見ながら、こうして若犬の社会化トレーニングを兼ねている人も
文と写真:藤田りか子
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