ムーミンの木製トレイをつくるヘレーナ・メリーンの家 2019/11/06
スウェーデン国内でのプロダクト生産にこだわるヘレーナ・メリーンさんの仕事への情熱を取材しました。
presented by MOE
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オプトデザインの代表的なグッズ。右はムーミンの丸型トレイ。左はリサ・ラーソンの猫形のカッティングボード。
北欧らしい白樺材の合板を重ねた素材を使い、ムーミンやリサ・ラーソンの木製トレイなどの会社を経営するヘレーナさん。スウェーデン国内でのプロダクト生産にこだわる、仕事への情熱を取材しました。

ヘレーナ・メリーン
1970年生まれ。オプトデザイン社長。ロレアルパリ社の宣伝部に勤務の後、現在のオプトデザインを2008年に設立。トーベ・ヤンソンやアストリッド・リンドグレーンのシリーズの他、リサ・ラーソンやスティグ・リンドベリのモチーフをプロダクトに取り入れ、スウェーデンデザインを幅広く紹介することに尽力している。
スウェーデンらしいものづくり
光が降り注ぐ、明るいダイニングルーム。椅子にはお気に入りのクッション。ヘレーナ・メリーンさんは、いつもこの自宅のテーブルで仕事をしています。

左:丘の上に建つヘレーナさんの自宅兼会社。
中:大好きな作家の一人、スティグ・リンドベリのクッションが安らぎアイテム。
右:地下は倉庫になっていて、国際メッセなどに出品するときはここから商品を運ぶ。
経営するオプトデザインは、ムーミンやリサ・ラーソンの木製トレイやコースターが人気の会社。白樺材を独自の技術で7層に重ねてプレスしたトレイは、デザインが美しく、水を弾く利便性もあって大ヒットしました。
「最初はいろんな大きさのトレイをつくったのですが、小ぶりのトレイが特に好評でした。使い方はそれぞれ1枚ずつ持ってキッチンへ行き、自分の好きなものを直接のせて好きな場所に持っていって楽しむのです。ケーキ、サンドイッチ、いちごやチェリー。こんな風に朝食やフィーカを楽しんでいます」

左:ムーミン谷の地図柄トレイはムーミンのすごろくの絵からデザインしたもの。
右上:最初につくった小ぶりのトレイが大きなヒット商品に。
右下:試作中のムーミンの新商品は、メロンの香りがする高級せっけん。
1つの絵でムーミンを表現できる、コースターづくりの作業がとても楽しいんです。
ヘレーナさんの仕事は、新グッズのアイディアを企画したり、デザインすること。ムーミンのコースターは、コミックスの絵から1コマを選び、ユーモアが感じられるデザインに仕上げています。
「ムーミンの絵は、背景の食器や壁紙、家具の形にインスピレーションの素となるものがたくさんあります」
もう1つ大切にしている本が1950年代の、スウェーデンを代表するグスタフスベリ製陶所のカタログ。「リサ・ラーソンやリンドベリの仕事はスウェーデンの宝物です。キッチンタイルや花瓶など、見ているだけで人を幸せにする素晴らしい仕事です」。
オプトデザインのこだわりが、スウェーデン製であること。今や失われつつある堅実で美しいものづくりの精神を、少しでも先人たちの素晴らしい仕事から学びたいと考えています。

左:ムーミンのコースターは創業当初からのロングセラーグッズで200柄くらいある。
右下:日本でも人気のムーミンのスポンジワイプは、地球に還元できる素材にこだわった。
大切にしているのは、海が見える丘で瞑想する時間と、家族とのひととき。
仕事場の向かいには、ゆったりと寛げるリビングルームがあります。家族それぞれが好きな本を置いているという本棚には、子どもに何度も読んだというリンドグレーンの「ピッピ」シリーズの絵本が。後にこの絵本の絵を木製トレイとしてデザインもしました。
そして部屋の中心には、大きな抽象画の油絵がかかっています。

左:リビングには、ひと目ぼれして購入した油絵が。
右:くり返し子どもに読んだ、スウェーデンを代表するリンドグレーンの児童文学「ピッピ」シリーズ。
「仕事でリサ・ラーソンさんのお家にうかがったとき、夫のグンナルさんの作品をひと目で気に入ってしまって。絵を眺める時間がとても好きで、このグレーの織りなす世界を見るたびに心が動かされます」
仕事で知り合ったリサ・ラーソンさん一家は、オプトデザインのグッズのデザインをとても気に入り、長いおつきあいが続いているといいます。

左:リサ・ラーソンやリンドベリのカタログ、古い雑誌からデザインのアイディアを得ることも。
右:ヘレーナさんがデザインをしたリンドベリの食器。
「オプトデザインは、これからもスウェーデン製であるということにこだわりたいと思っています。他国に注文するよりコストは高いですが、自国の工房で育まれてきた伝統や、高い生産技術が失われていくのが辛くて、もっと盛り上げていきたいのです。つくる相手がわかっていて、品質のよいものができれば、結局その方が長持ちもすると思っています。愛車も同じです。母が30年間ボルボに勤めていたのですが、美しく、安全性がとても高いのが最大の魅力だと思います」
そんなヘレーナさんの趣味はスポーツ。休日には、ゴルフやテニス、バスケットボールなど、あらゆるスポーツを楽しんでいます。まとまった休みがとれると、車に生活用品を積んでストックホルム群島の南部の島へ出かけ、海での水浴びの時間を存分に楽しむこともあるそうです。

「宝物は家族」というヘレーナさん。一家そろってスポーツ好きで、愛車のボルボ XC70に乗りテニスやゴルフに出かけることが多い。

左:「一人で瞑想するとっておきの場所」と案内してくれたのは、裏庭の大きな岩の上。静謐な空気が流れ、眼下に入江をのぞむ。
中;テラスで過ごすひとときも、大切な安らぎの時間。
右:年に数回ある国際メッセのときは、家族総出で倉庫から一斉にグッズを運び出す。
通訳・コーディネート/佐藤園子 撮影/明知直子
MOE2019年11月号(白泉社LINK)を再編集しています。
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