スウェーデンに暮らすエリーカさんの幸せ色のニット 2020/07/08
温かみのある色とデザインでウールの服や小物をつくるニットデザイナー、エリーカ・オーベリーさんを訪ねました。
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ニットデザイナーとしてセーターや帽子、靴下などを自宅で制作しているエリーカさん。
アニメーション映画「魔女の宅急便」の舞台にもなった、スウェーデン第1の大きな島・ゴットランド島。
温かみのある色とデザインでウールの服や小物をつくるニットデザイナー、エリーカ・オーベリーさんを訪ねました。

Erika Åberg
ゴットランド島在住のニットデザイナー。手工芸アドバイザーとしての教育を受けた後、テキスタイルやペーパークラフト制作に従事。スウェーデンウールと編みものを心から愛し、現在ニットデザイナーとして本の執筆活動や講習会を中心に活躍。2014年夏よりゴットランド島に住みはじめる。
ゴットランド島のレシピでフィーカを

赤い屋根の家の先に海が広がるヴィスビー。
中世の遺跡や廃墟の建物の間から、ブルーグレーのバルト海が見える町、ヴィスビー。エリーカさんが暮らすゴットランド島は、ストックホルムから飛行機で40分のスウェーデンで最も大きな島です。中心の町ヴィスビーは、古い教会や博物館など、歴史建築が点在しており、中世の時代の繁栄が感じられる趣のある町です。エリーカさんの家はおしゃれなショップやカフェが並ぶ町から少し離れた、のどかなエリアにあります。
このお菓子は、島に暮らす90歳のおばあちゃんのレシピで、とびきりおいしいの
ドアを開けると、キッチンからはバターの香ばしい匂いが。「さあどうぞ。まずは座ってフィーカ(お茶の時間)にしましょう」

右上:とびきりおいしい島の卵と、娘が好きになるよう顔を描いた栗。 /中:クッキーと小さなパンは典型的なフィーカのお菓子。 / 右下:とっておきのおもてなしには、大好きなヴィンテージ食器を。
いつも家族と囲んでいるキッチンのテーブルには、焼きたてのクッキーやシナモンロールが並んでいます。
「このお菓子は全部、島に暮らす90歳のおばあちゃんのレシピなんです。フィーカにはいろんなレシピがあるけれど、結局これが一番おいしいの。ここにいるリネア(取材に同行した写真家)のおばあちゃんなのよ」

左:くつろぎのリビングルームからは、庭と野原が見える。 / 右:作品の着想に絵本が欠かせないというエリーカさん。色の組み合わせの参考にすることも。
スウェーデンでは仕事の打合せであっても、まずはフィーカでもてなすという伝統が根づいています。エリーカさんも、私たちを迎えるため、昨夜からクッキー生地を寝かせたそうです。
キッチンでクッキーが焼けるのを待ちながら、そばにある編みかけのニットを手にするエリーカさん。主婦として、こうして家族の食事やおやつをつくりながら、合間に自然に編みものを進めるのがいつものスタイルです。
ニットを編みはじめる時は、まず絵を描くにようにしています。

フィーカの後、エリーカさんはいつも仕事をしている2階に案内してくれました。
もともとスウェーデンの手仕事やクラフトマンシップに興味があったエリーカさんは、スウェーデンウールの美しさに目覚め、それを編んでニット製品をつくる道へと進みました。今ではニットデザイナーとして、多くの本を出版し、作品で展覧会を開いたり、教室で生徒に教える日々を過ごしています。
ニットだけでなく、スウェーデンスタイルの白樺のかごなどにトールペイントを描いたり、ペーパークラフトをつくることもあります。
編みものをはじめる前に、水彩絵具で絵を描きながらイメージをふくらませる。
「このトールペイントの裁縫箱も、私がつくったものです。手を動かして何かをつくるのが好きなんですね」
仕事場の棚には、豊かな色のウールがぎっしりと並び、いつでも編みものができるようになっています。自分でイメージした色の糸をつむぐための、糸紬も置かれていました。

左:ゴットランド島には上質なウールの伝統がある。 / 中:白樺のかごの裁縫箱はトールペイントで飾られている。 / 右:窓の植物を見守る大好きなムーミンママ。
そして目を引いたのが、スケッチブックに描かれたたくさんの水彩画です。セーターに靴下の絵。これもエリーカさんの作品のようですが……。
「私は編みものをはじめる前、まずこうしてつくりたいものを絵に描いてみるのです。柄や色をイメージし、水彩でイメージを描き留めます。そうすることで、糸の色の組み合わせや太さをデザインし完成していけるんです」
たとえば一番好きだというグレーには、いくつものニュアンスがあり、どんなグレーを使って、隣に何色を配置するか、その組み合わせが編みものをする上でとても大切だと考えています。シミュレーションをするには、絵に描いてみるのが一番なのだとか。そしてモチーフにもユニークなものが。
ムーミンの絵本に出てくるセーター
「このセーターは、ムーミンの登場人物、トゥーティッキが絵本の中で着ている柄です。私は子どもの頃からムーミンが好きで、ムーミンママのようになりたいなんて思ったりすることもあるけれど、一番好きなのはトゥーティッキです。彼女は人が悩んだり困ったりしたときに、いつも助けになる言葉をさりげなく与えてくれる、私の憧れの存在なんです」

左:大好きなムーミンの絵本、『ムーミン谷へのふしぎな旅』(トーベ・ヤンソン/作 渡部翠/訳 講談社)でトゥーティッキが着ているセーターに憧れ、編んだもの。 / 右:イメージ通りの糸をつくるため糸紬をまわすことも。
モチーフの中には、自然の風景や色からヒントを得たものも。
「作品をつくるアイディアになるのは、この島のとてもきれいな海の色とか、石や木々の色などもあります。私は2014年からこの島に移住し、心からこの島の色、特にさまざまなグレーを楽しんでいるんです」
見ているだけで心が温かくなるエリーカさんのニット。部屋の壁には、もうすぐ結婚する友だちのためにつくっているというウールのリースが、幸せそうに揺れていました。

左:長年愛用しているカラフルな針刺し。 / 右上:ナチュラルな色彩で、暮らしが楽しくなるエリーカさんのニットはスウェーデンでとても人気。 / 右下:ニットのデザインアイディアを描いたノート。
エリーカさんの休日

考古学者の旦那さんや子どもたちと、 愛車のボルボV70で海へドライブするのが好きと語るエリーカさん。
休日になると、考古学者の夫、2人の子どもと愛車のボルボに乗って、海へ出かけます。ゴットランド島は石灰岩でできているため、考古学的にもとても貴重な地質なのだとか。海辺では、古代の化石がきれいな状態で見つかることもしばしばあるそうです。そんなときに、車に大切な石を好きなだけ載せて帰れるよう、ボルボのワゴン部分にはいつもしっかりスペースを確保してあります。

「海の色も、透明な青というより、深いグレーが混ざった青色が日に日に変化して見飽きないんです。私はいつもここで好きなグレーを探します」
お出かけのスタイルは、自分で編んだセーターや靴下からその日の気分で柄を選ぶ。
お出かけのおともは、白樺のバスケットに入れた熱いコーヒーのポットと、甘いクッキー。これさえ車に載せれば、何時間も家族で海辺にいてもまったく退屈しないと語ってくれました。

左:バスケットやかごに、ランチやフィーカのためのお茶とお菓子をたっぷりつめて。 / 右:ときおり、石や化石を積んで帰ることもあるので、頑丈でたっぷり入るトランクが必須。
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