島の自然から生まれたマリアさんの陶器 2020/08/05
スウェーデンの自然豊かなゴットランド島で、シンプルなフォルムが美しい陶器をつくるマリア・カウングスさんを訪ねました
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陶器に革の持ち手をつけたキャンドルスタンド。
スウェーデンの自然豊かなゴットランド島に生まれ育ったマリア・カウングスさん。
美しい羊毛で知られるゴットランドシープの牧場主の妻として羊の世話を手伝いながら、古い納屋を工房に改装し、シンプルなフォルムが美しい陶器づくりをしています。

Maria Kaungs(マリア・カウングス)
1986年スウェーデン・ゴットランド島生まれ。陶芸家。20歳のときに通いはじめた陶芸教室で出会った土という素材に魅了され陶芸家となる。ゴットランド島の北西に位置する19世紀に建てられた納屋を改築し「マリア・フォルムmaria form」という工房とショップを経営。mariaform.se
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この島のシックな色を生かして、自分がほしいと思う陶器をつくっています

落ち着いたアースカラーが好きとマリアさん。
いつもそばに置いておきたくなる、シンプルなマグカップ。そこにあるだけでテーブルが穏やかな空気で包まれるキャンドルスタンド。マリアさんの陶器はどれも、使う人をほっとさせる優しさがあります。落ち着いたグレーやブラウンの色調には、「自分がずっと使いたくなるものを」というマリアさんのものづくりへの気持ちが込められています。

マリアさんはスウェーデンで最も大きな島、ゴットランド島の生まれ。島には、中世の趣を持つ美しい街と郊外に広がる牧場や草原、バルト海という、表情豊かな景色が広がっています。
マリアさんの家は、中心地から離れたのどかな牧草地帯にあります。ここで美しい羊毛で知られるゴットランドシープの牧場を経営する夫と子どもたちと暮らしています。陶芸は、羊の世話や子育てで忙しい日常にあって、自分に集中できる大切な創作の時間です。
指輪を置くためのリングコーンは、いろんな色があって楽しい。

左:家のダイニングでは定番の革の持ち手つきキャンドルホルダーを使っている。
中:筆で釉薬を弾いて模様を描いた片口ボウル。
右:特別な日のための華やかなキャンドルホルダー。
古い納屋を工房に
陶芸をはじめたのは13年前、趣味で通った陶芸教室でした。
「その頃はまだ20歳くらいで、それまで洋服のテキスタイルデザインの仕事をしていましたが、土いじりをするうちに“これは私に向いている”と直感し、本格的に創作をはじめました」

工房にはショップとギャラリーがあり6〜8月だけオープン。ウェブショップ「maria form(マリア・フォルム)」も好評。
その後、結婚して家族で19世紀に建てられた古い納屋を購入。家畜用の小屋を改装して、工房をつくりました。工房には、いつでも創作に向かえるろくろや電気窯、スカンジナビア諸国から集めたインテリア雑貨のショップ、作品のギャラリーと、かねてから念願だった空間を自らつくり上げました。
島の自然から生まれた陶器

もともとクリエイティブなことが好きだったマリアさんは、工房という理想の空間をつくり上げることで、より集中して作品づくりに没頭できるようになりました。
小学生2人の子育てをしながら創作する日々。
陶器をデザインするときに、大切にしているのが「そぎ落としたようなシックな美しさ」だといいます。
「たとえば色は、赤や紫のように派手な色は使いません。私が惹かれるのは、時を経た落ち着きのあるアースカラー。羊を散歩させていても、地面や木々、石の模様などを観察していて、そこに時を経て、自然に洗われたような美しい色や模様を見つけてハッとします」

左:マリアさんのラッピングもとても素敵。
中:ほしいものをデザインする時間はとても楽しい。
右:作陶はろくろを回して成形していく。

人気作品の革の持ち手つきキャンドルスタンドも、表面には砂つぶのような自然の模様があります。
「これは焼くことで、土の中の鉄分が自然に表出したものです。こういう味わいも大事にしています。革の持ち手を陶器につけたのは、もともとテキスタイルデザインをしていた頃から、違う素材をミックスする感覚が好きで。革と陶器、白樺と石などいろいろチャレンジしてきたからです」
6月には島中にバラが咲き誇るゴットランド島。
たとえばキャンドルがあるだけで、家族がくつろげる時間や空間が生まれます
他にも作品にはマリアさんらしい工夫が施されています。キャンドルホルダーは、低くして小さな子どもがいる家庭でも安心して使える作品をつくったり、リングを置くリングコーンでは、いろんな色や土でコーンをつくり、並べるとリングがなくてもインテリアの一部になるように考えたり……。

工房に併設したギャラリーにはマリアさんの作品が並ぶ。
最初は「自分が使いたいものを」とはじめた陶器づくりも、今ではウェブショップを通じて、国外からも注文が来るようになりました。工房に併設しているショップでは、陶器と一緒に使える生活雑貨というコンセプトで、マリアさんがゴットランド島をはじめ、スウェーデンやデンマークなど、スカンジナビアの国々から買い付けた雑貨を取り扱っています。島の特産、ゴットランド羊の膝かけやラグ、白樺の食器やカトラリー、薪を入れるカゴなど、暮らしがより楽しくなるような手工芸品が集まっています。

左:ギャラリーのマリアさんの食器でしつらえたテーブル。
中:工房には素焼きのキャンドルホルダーが。
右:ショップでは北欧の手工芸品を販売。
羊牧場の手伝いや子育てが忙しい中、陶芸を創作する時間をつくるのは、大変なときもあったとか……。
「土をこねていると子どもが一緒にやりたがり、それなら子育てと創作を一緒にと、作品をつくることもあります。見よう見まねで子どもがつくったキャンドルホルダーは、ゆがんでいてもその人らしさやセンスが出ていて、そういう楽しみも陶芸の魅力です」
これからも子育てをしながら、創作していきたいと語ってくれました。
特別なくつろぎの場所
猫と一緒に本やお茶を楽しむ庭のサンルーム
休日は、庭にあるお気に入りのサンルームで過ごすことが多いマリアさん一家。お茶を飲んだり、読書をしたり、猫とくつろいだり……。とにかく、ゆっくりと過ごすようにしています。
子どもに本を読んであげるのも大切にしていることの1つ。特にスウェーデン人にとって大切な児童文学、アストリッド・リンドグレーンの「ピッピ」シリーズと「エーミル」シリーズは外せない作品といいます。

ガラス張りのサンルームは家族が一番好きな場所。
「子どもはこれから自由にいろんな現代的なものに触れていくことでしょう。だから今、家庭にいる時期には、児童文学の古典を読んであげたいと思っています。私がそうだったように」
本はマリアさんが子どもの頃に読んでいたもの。文学に空想を巡らせた思い出は、時代が変わっても価値が変わらないものと考えています。

左:夜になるとサンルームにキャンドルを灯して過ごすことも。
中:マリアさんが子どもに読んでいる絵本。リンドグレーンの「ピッピ」シリーズ、「エーミル」シリーズが愛読書。
右:お茶を飲みながら読書をするのが好き。
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